兵庫県養父市にある「さゆり農園」は、女性農家ならではの丁寧な手仕事で、朝倉山椒をはじめとする果樹栽培を手がけています。農園主のさゆりさんは、平成26年に義父から農業を学び始めました。当初は軽トラの運転もままならず、草刈り機の扱いも知らない状態からのスタートでしたが、今では15の圃場を一人で管理するまでに。今では朝倉山椒の県内最大規模になっています。

朝倉山椒は、豊臣秀吉が白湯に焦がした山椒を入れて飲み、徳川家康にも献上されたと言う記録が残る山椒の高級品です。他産地の山椒に比べてリモネンの比率と含量が高く、フルーティーな柑橘系の爽やかな香りが特長です。今では世界中の一流シェフが求める日本独自の香りとなっています。

さゆり農園で栽培されている「朝倉山椒」は、すべて無農薬で丁寧に育てられています。朝倉山椒の実は大粒で香り高く、柔らかいのが特徴です。5月下旬から6月上旬にかけて、鮮やかなグリーンが目を引く若実を、一粒一粒手作業で収穫しています。

農薬を一切使わないため、草刈りや病害虫対策などの管理作業は非常に手間がかかっています。また、義父の代から続く有機的な土づくりを受け継ぎ、自然環境に寄り添う栽培を心がけています。女性ならではの細やかな観察眼と丁寧な収穫が、質の高い朝倉山椒を支えています。

朝倉山椒は、その豊かな香りとマイルドな辛みで“魔法のスパイス”とも呼ばれています。他の山椒に比べ、リモネンの含有量が高く、柑橘系のようなフルーティーで爽やかな香りが立ち、料理に上品なアクセントを加えます。一般的な山椒のような鋭い刺激はなく、やわらかくまろやかな味わいが特徴です。

さまざまな料理に“ひと振りで変わる”魔法のような香りを添えてくれます。まずおすすめしたいのが、自家製の山椒の佃煮やちりめん山椒。ご飯のお供や、ちょっとした味変に最適です。香りの高さを生かして、パスタやオリーブオイルと合わせた洋風アレンジもおすすめ。冷奴や焼き魚にトッピングするだけでも、格段に風味が引き立ちます。下処理をすれば冷凍保存も可能なので、季節の恵みを長く楽しめるのも嬉しいポイントです。

収穫したての生山椒をお届けします。
枝付きの状態です。