静岡県の葵区小瀬戸にある戸崎天領茶園は天文19年（1550年）創業の由緒ある茶園です。山あいにあって日当りが、そのおいしさから徳川家の直轄領に選ばれ、300年間将軍家のためにお茶づくりをしてきました。
お茶は京都の玉露が布をかぶせて日を当てないで育てるように、日当たりを抑えた方がおいしくなります。戸崎天領茶園は山あいにあって日があたりすぎず、昼夜の寒暖差が大きいので渋みが少なくてうまみの濃いお茶ができます。15代目の戸崎雅章さんは有機栽培で茶葉を育てていて、有機JAS検査員として他の農家さんへの指導もされています。

普通は1番茶、2番茶、3番茶まで摘んでそれぞれお茶にしますが、戸崎さんはおいしい茶葉にこだわって、1番茶の新芽しか収穫しません。2番目以降に出てくる芽はすべて刈り落として肥料にしてしまいます。一番おいしい新芽だけでつくった、とても贅沢な有機煎茶です。

1番煎じは一度沸騰させてから60度まで冷ましたお湯を急須に入れ、1分20秒まってから湯のみに注ぎます。ぬるま湯にすることで渋みが出ず、お茶の甘み、旨みが際立ちます。
2回目は熱湯を注いで20秒で注ぐとしっかり味がでます。多少渋みもでるのでお菓子と一緒にどうぞ。