ほとんど市場に流通していない幻のあさり“鬼あさり”。この貝を知っていたらかなりの食通です。
あさりより一回り大きく、身は肉厚でプリプリ。あっさりとした味わいですが、名前とは裏腹の美味。
注意が必要なのは、時期や獲れる場所によっては、渋みがあって舌に刺激を感じることがあります。さすがに鬼と名前が付いているだけあって油断はできません。この刺激がハマるという方もいらっしゃいますが、初めてだとちょっと驚きます。これは毒などではないので、食べても無害です。このような刺激があることもあるので、強いお酒にぴったりな貝です。

三河湾六条潟は干潟や浅場が多く、あさりが生育する条件にとても恵まれています。三河湾は日本一のあさりの産地です。広さ604平方キロメートル、平均水深9.2メートルの浅くて極めて閉鎖性の強い湾です。その為、豊川上流からの正常な土砂、ミネラル水などの供給機能があり、毎年新たな良質な土砂が干潟に供給される。干潟の天然更新ができています。

その水には、あさりの餌となるプランクトンが豊富に含まれているため生育が良く、また塩分濃度が1.9～2.0%で安定しているため、そこで生育したアサリの身は柔らかくふっくらしています。（塩分濃度が2.5％位高くなると身が硬めになると言われています。）

特に、３月～盆暮れ(毎年海の状況で多少ずれます)の時期は放卵前であるため、身入りが良く、甘み成分であるグリコーゲンを多く含んでいます。身に栄養が多く取られるため、殻まで栄養がまわらず、殻は薄くなる傾向が強いのも特徴のひとつです。

酒蒸しがおすすめです。
鬼あさり300gに100ccの日本酒を注いで、火にかけてください。貝がすべて開いたら完成です。お好みであさつき、生姜などふりかけてお召し上がりください。