愛媛県丹原に極上の太秋があるという噂を聞きつけ訪れたのが、佐伯さんがつくる“高糖太秋”
太秋は柿としては比較的新しい品種で１９９４年に品種登録されました。梨のようなシャキシャキとした食感と、強い甘みは新時代の柿と言えるでしょう。
柿の分類としては甘柿にあたり、完全に熟すと糖度は１７度を超えます。しかしながら、流通や店頭小売の見た目の良さを重視して早めに収穫してしまうため、１５－１７度の太秋が出回っています。
佐伯さんは、あくまで美味しさ、甘さにこだわり糖度１７－１９度になる完熟太秋を“高糖太秋”と名付けられています。

高糖太秋を作り上げるため、しっかり完熟するまで木に成らせます。早く収穫すればするほど見た目がいいので農協などでの評価は高くなります。佐伯さんは独自の販路を開拓し、見た目を多少犠牲にしてでも甘みがしっかりとのった完熟のものだけを収穫しています。

完熟させると“条紋”と呼ばれる傷のような跡が果皮につきます。
これは柿が甘くなった証拠。条紋がついている部分は無い部分よりも糖度が１－２度高くなっています。しかし、この甘くなっている証拠が市場に出ると汚いということで評価が落ちてしまうのですから、不思議なことです。

柿の食感といえば、独特の柔らかさがあるもの。しかしこの太秋は、梨のような食感。
サクサクと歯触りがよく、それでいて甘い！という現代人好みとなっています。佐伯さんの高糖太秋も完熟ではありますが、食感はサクサク。今までの柿の概念を覆す柿となっています。