世界自然遺産に認定されている手つかずの自然が広がる西表島。その豊かな島でマンゴーを育てているのが、池村建一さんです。池村さんは「次世代に自然と畑を残す」ことを信条に、農薬や化学肥料を極力使わずに栽培を行っています。

熱帯果樹であるマンゴーは、本来沖縄の亜熱帯気候には不向きとされていましたが、池村さんは工夫を重ねて栽培技術を確立。強風や台風から果実を守るために丈夫なハウスを建て、まるでサウナのような暑さの中で1個ずつ丁寧にネットをかけ、適熟まで丹精込めて育て上げています。自然環境と共存しながら真摯に果実と向き合う池村さんの姿勢は、味にもしっかりと表れています。

西表島は島の90％が亜熱帯の森林で覆われ、原生の自然が色濃く残る特別な環境です。この自然に囲まれた農地で、池村さんは化学肥料や農薬の使用を可能な限り控え、土壌と生態系に配慮したマンゴー栽培を実践しています。高温多湿で強風も多い気候に適応するため、しっかりとしたハウスを設け、果実の品質を守りながら栽培を行います。

マンゴーが熟す6月以降は、ハウス内の気温はさらに上昇し、作業環境はまるでサウナのよう。そんな中でも池村さんは、果実ひとつひとつに日焼け防止のネットをかけ、実の熟し具合を毎日見極めながら、最も良い状態で収穫されるよう努めています。この繊細な管理が、濃厚でジューシーな果肉を生む秘訣です。

緑の外皮が特徴的なキーツマンゴー。日本で流通するマンゴーの9割以上が赤いアップルマンゴーである中、キーツは生産量がごくわずかで、沖縄県外ではほとんど見かけることがありません。

その希少性に加え、味の濃厚さと香りの豊かさが魅力です。1玉1kgを超えることもある大ぶりの果実は、果肉がしっかりと詰まり、とろけるような舌触りとコクのある甘さが特徴。口に入れた瞬間、南国の太陽と海風をたっぷり浴びて育った果実の滋味が広がります。一般的なマンゴーよりも糖度が高く、繊維質が少ないため、滑らかな食感を好む方にもおすすめ。まさに「知る人ぞ知る、大人の贅沢マンゴー」です。

キーツマンゴーは「追熟型」の果実。収穫直後はまだ果肉が固く、青い香りが残っていますが、ご自宅に届いた後、常温で1週間ほど置くことで、ぐっと美味しさが増します。目安は、香りが青っぽさから甘く芳醇な南国の香りに変わってきたとき。表皮の緑色が少し黄色みを帯び、表面につやが出て、手で軽く押してやわらかさを感じられる頃が食べごろのサインです。

食べる直前に冷蔵庫で軽く冷やし、縦にカットしてスプーンですくってお召し上がりください。とろける果肉とあふれる果汁、濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。半分にカットしてヨーグルトやアイスクリームと合わせても絶品。シンプルに、そのままの美味しさを堪能していただくのが一番のおすすめです。