やよいひめは、糖度が高くてほどよい酸味があり、濃厚な苺の味わいがある群馬県発の品種です。2005年に品種登録されました。平均的に大きくなる苺で、果肉がしっかりしているので日持ちがします。
このやよいひめを伊香保温泉で有名な群馬県渋川市で栽培しているのが、ストロベリーファームIKEDAの池田一美さん。苺では非常に難しいとされる減化学農薬、減化学肥料に取り組まれていて、特別栽培の認証を取得しています。
池田さんのやよいひめは、地元の方からも高い支持を得ています。安心安全で美味しいことはもちろんのこと、栽培から箱詰めまでに可能な限り、手でさわる回数を減らして、実の痛みを防いでいます。直売所に訪れたお客様も「お宅の苺は１週間くらい置いておいても美味しいのよねぇ。」というコメント。池田さんが作る苺の品質の高さを物語っています。また、第24回群馬県いちご品評会では金賞を受賞。池田さんの苺はコンクールでも高く評価されています。

ストロベリーファームIKEDA代表の池田さんは、群馬県で4名しかいない特別栽培の認証を取得しています（平成25年1月）。
池田さんのハウスに入って、まず気づくことは、たくさんのミツバチが元気に飛び回っていること。何よりもミツバチが環境の良さを証明してくれていると池田さんは言います。ミツバチは苺作りには欠かせない存在。ミツバチが飛び回ることで、受粉が行われているからです。
苺農家は毎年ミツバチを巣箱ごと購入し、ハウスの中に飛ばせます。しかし栽培している期間中に、ミツバチはハウスの中で死んでいってしまうのが普通です。これは、栽培中に使う農薬が原因のひとつとして考えられます。池田さんのハウスではミツバチが減るどころか増えることもあるそうです。それだけハウスの中が健全な状態にあるということをミツバチたちが証明してくれています。

苺の実が大きくなり出してからは、ほぼ農薬を散布しないとのこと。そのため、アブラムシなどの害虫対策として、天敵をハウスの中にまいています。農薬を散布するよりも、はるかにコストがかかりますが、健全なハウス環境を保つために、コストや手間を惜しまず栽培されています。

美味しい苺を作るために、土作りにこだわる池田さん。苺は収穫などの作業性を考慮して、高設栽培することが多く、土ではない植物由来の培地を利用します。これはこれで美味しい苺ができるのですが、池田さんは写真のような昔ながらの土耕栽培にこだわります。化学肥料は一切使用せず、有機肥料のみで土を作ります。
化学肥料は、短期的に甘味を増してくれますが、効果が切れるのも早いとのこと。美味しさのブレをなくすためにも、有機質由来の肥料でじっくりと苺を作られています。

苺は大変デリケートな果物です。収穫から箱詰めまで何度か人の手が触れるだけで、後々表面にいたみが出てきてしまいます。やよいひめは、いくぶん果肉が固めの品種とはいえ、デリケートであることに変わりはありません。
それでも、池田さんはできる限り長く日持ちがして、美味しく食べていただけるように工夫しています。

まず、手が苺にふれるのは2回だけ。収穫のときと、箱詰めするときです。また、収穫時には苺を重ねないように、写真のようにすべて平積みにしています。
池田さんとしては、できる限り早く食べてほしいという気持ちがあることは確かですが、なかなか１日では食べきれないもの。最後の1粒まで美味しく食べてほしいという心遣いがここにはあります。

パック詰めは、プラスチックのパックに、苺を2段重ねで積んだものを箱詰めしたものです。味・品質は贈答用と変わりありません。