福島県相馬市・松川浦のほとりに工場を構える中澤水産有限会社。豊富な魚種が水揚げされる原釜港を拠点に、活魚・鮮魚・加工品まで一貫体制で手がける水産のプロ集団です。目利きを担うのは、兄・久仁彦さんと弟・由樹さんの“オーシャンブラザーズ”。震災後の不安定な時期に別々の道を歩んだ二人ですが、「福島の魚を全国へ届けたい」という共通の願いから再び地元へ戻り、地域の水産業を未来につなぐべく奮闘しています。

中澤水産が扱う“常磐もの”は、黒潮と親潮が交わる海域で育つ全国屈指のブランド魚。ヒラメをはじめ、スズキ、メヒカリ、タコ、穴子など、多彩な魚種が高く評価されています。同社では活魚車や生け簀設備を用いて、鮮度の管理を徹底。市場だけではなく贈答用加工品にも目利きと技術を活かし、“福島の本当に美味しい魚”を全国へ届け続けています。

中澤水産のひらめギフトは、相馬沖で水揚げされた福島県産ひらめを、最良の状態で加工することから始まります。魚はプロの目利きが水揚げ当日に厳選。12基の大型生け簀で温度と海水循環を管理し、ストレスを抑えたまま活け込みます。その後、自社の活魚車で鮮度を保ったまま加工場へ移送。まさに“生きた品質管理”が貫かれています。

加工はすべて熟練の職人による手作業。昆布の旨味を移す「昆布〆スライス」、香ばしさを引き出す「磯辺焼き」、上品なコクが出る「唐揚げ」、鮮度を活かした「たたき」。それぞれの料理に適した切り方・塩の当て方・火入れを細かく調整し、一つ一つの味わいを最大化しています。家庭で“切る・焼く・揚げるだけ”でプロの味になるよう、下処理と味付けの工程を丁寧に仕込んでいる点が、中澤水産らしい誠実な仕事です。

常磐もののひらめは、淡白ながらもほんのり甘みを帯び、繊細な旨味が広がる白身魚の名品。相馬沖は栄養豊富な親潮の影響を強く受けるため、身に透明感があり、ほどよく締まった歯ごたえが特徴です。このギフトセットでは、その魅力を最大限引き出せる4つの仕立てで味わえます。

昆布〆は旨味がじんわり浸透し、刺身とは違う奥行きのある味わいに。唐揚げは香ばしい衣の中にしっとりした白身の甘みが際立ち、磯辺焼きはあおさの香りとひらめの上品な脂が絶妙に調和します。さらに“たたき”は鮮度の良い常磐ものだからこそ成立する逸品で、噛むほどに旨味が増す贅沢な一口です。

昆布〆はそのまま刺身としても十分ですが、軽くレモンを搾ると昆布の旨味が引き立ち、より上品な味わいになります。唐揚げは170?180℃の油でカラッと揚げるだけで、料亭のような香ばしさに。おろしポン酢を添えるとさらに後味が軽やかになります。

磯辺焼きはフライパンで両面を香ばしく焼き上げ、熱々をご飯や酒肴とともに。たたきは醤油・柚子・刻み青ねぎなど、シンプルな薬味が最もよく合います。また、4品を少しずつ盛り合わせて“ひらめの贅沢プレート”として提供すると、家庭とは思えない華やかな食卓になります。 贈答品としても、ご家庭用としても、常磐ものの魅力を多彩に楽しめるセットです。