東日本大震災から十数年、被災地の水産業はいま、復興から「新たな価値創造」へと歩みを進めています。水揚げだけでなく、地域で磨かれた水産加工技術や食文化を次代につなぐために立ち上がったのが、プロジェクト「UOYA（うおや）」です。百貨店やECサイトとのマッチングを通じて、被災地発の加工品に新しい販路を生み出し、現地で生まれる雇用や誇りを支えます。

テクノロジーの進化でモノがあふれる時代だからこそ、作り手の思いや背景を“伝える”ことに価値がある。UOYAは、単なる商品販売ではなく、地域の再生と持続可能な購買行動を結びつける仕組みづくりを目指しています。安心堂では、この取り組みに賛同し、UOYA参加商品の全国送料無料での販売支援を行っています。

朝、私たちがまだ眠っている間に、漁師たちは海へ出て、港では威勢のいい声が響く。魚はただ食卓に並ぶのではなく、数えきれない人の手を渡り、ようやく私たちのもとへ届きます。UOYAは、そんな「魚をめぐる営み」そのものに光を当てるプロジェクト。

UOYAは、魚を“命”や“つながり”、“家族”を感じさせる存在として再定義し、健康志向や時短とは異なる「情緒的価値」を提案します。食べることは、生きること。そこに込められた人の思いや時間の流れを感じることが、暮らしを豊かにしていく。UOYAは、魚と人とが心でつながる新しいライフスタイルを発信しています。

魚は季節の手紙。春のメバルやサクラマス、夏のウニやホヤ、秋のサンマ、冬のアンコウ──
東北から関東沿岸の海には、四季折々の恵みが息づいています。UOYAが届ける被災地の水産加工品は、ただの保存食ではありません。港の人々が守り抜いた伝統の味と、季節を感じる豊かな物語が詰まった“文化のかたち”です。

近年では、プロトン凍結やCAS凍結などの革新的な技術により、獲れたての鮮度と旨味をそのまま閉じ込めることが可能に。遠く離れた都市でも、まるで現地で食べるような感動を味わえます。冷凍魚は今、鮮魚を超える可能性を秘め、被災地の水産業を次の時代へと導く新しい光となっています。海と人を結び、季節の喜びを伝える──UOYAは、地域の誇りを未来へ届ける架け橋です。