福島県いわき市に拠点を置く「カネセン水産有限会社」は、昭和25年（1950年）創業、三代にわたりタコとイカの加工一筋で歩んできた老舗水産加工会社です。現在の代表は坂本剛士さん。創業当初は輸入タコの釜茹で加工からスタートし、二代目の時代に“タコの旨味と柔らかさを最大限に引き出す蒸し上げ製法”を確立。現在はその技術をさらに進化させ、常磐沖で水揚げされた国産タコを中心に、鮮度と旬を何よりも重視した加工を行っています。

福島県いわき沖は、寒流と暖流がぶつかる「潮目の海」。プランクトンが豊富で、魚介の餌が潤沢なため、全国屈指の漁場として知られています。この海で育った“常磐もの”のタコは、アワビやカニを主食とするため、身に自然な甘味と濃厚な旨味が宿るのが特徴。カネセン水産では、漁師が生きたまま港へ持ち帰った活タコのみを厳選し、直接目利きして仕入れています。地域と漁師、そして職人の技が一体となって生まれる一品です。

カネセン水産のタコアヒージョの要となるのが、創業以来受け継がれてきた三段階の職人工程です。まず最重要工程が「塩もみ」。タコの鮮度・種類・大きさごとに、塩の分量、回転速度、もみ時間を微調整しながら、熟練の感覚で丁寧に揉み上げます。これにより、ぬめりを除去するだけでなく、歯切れのよいプリプリ食感と、ふっくらと丸みのある身質が生まれます。

次にタコの種類ごとに加熱方法を使い分けます。真ダコは高温蒸気で一気に蒸し上げ、旨味を凝縮。水ダコ・ヤナギダコは、旨味が溶け出した煮汁ごと釜茹でし、みずみずしく甘味のある仕上がりに。そして最後に、5℃以下の氷水で急冷。これにより旨味を内部に閉じ込め、身を引き締め、鮮度を保ちます。

このように下処理された常磐もののボイルヤナギダコを、国産きのこ（マッシュルーム・エリンギ・しいたけ・ぶなしめじ・ひらたけ）、フライドガーリック、オリーブオイルとともに煮込み、常温保存可能なアヒージョとして仕上げています。アウトドアやストックにも使える利便性と、専門加工会社ならではの完成度を両立した逸品です。

このタコアヒージョ最大の魅力は、プリプリとした弾力ある食感と、噛むほどに広がる常磐もの特有の旨味。ヤナギダコは繊維が細かく、熱を通しても硬くなりにくいため、アヒージョに最適な素材です。オリーブオイルには、タコから溶け出した旨味とにんにくの香り、きのこのコクが重なり、オイルそのものが“ソース”として完成する深い味わいに仕上がっています。

また、原材料にも一切の妥協はありません。タコは福島県産、きのこ類はすべて国産。不要な添加に頼らず、素材の持ち味と職人の技で味を構築しています。塩味は強すぎず、酒の肴としても、食事のおかずとしても成立する絶妙な設計。ワイン、日本酒、ビール、どれにも自然に寄り添う万能性も評価されています。
「加工品でありながら、素材の顔が見える味」。これこそが、三代続くタコ専門加工会社が生み出したアヒージョの本質です。安心堂セレクトにふさわしい、産地・技術・味のすべてが揃った一品といえます。

カネセン水産のタコアヒージョは、湯煎またはフライパンで温めるだけで完成します。袋のまま湯煎する場合は約5分。フライパンの場合は中身をそのまま移して弱火でじっくり温めてください。立ち上がるにんにくとオリーブオイルの香りが、食卓を一気に“ご馳走の空気”に変えてくれます。

まずは、ぜひバゲットを添えてオイルごと味わうのがおすすめ。タコの旨味が溶け込んだオイルは、まさに“食べるソース”。さらに、パスタに絡めれば本格魚介パスタに、アヒージョの残りオイルでじゃがいもをソテーすれば絶品の副菜にもなります。アウトドアでは、スキレットで温めるだけで主役級のおつまみに。

110g×3個入りのセットは、自宅用ストックにも、気の利いたギフトにも最適。常温保存できるため、冷蔵庫を圧迫せず、必要なときにすぐ使えるのも嬉しいポイントです。日常の食卓から、休日のご褒美時間まで、幅広く活躍する万能な海の逸品です。