桃の名産地と知られる岡山県総社市。その中でも、卓越した栽培技術を誇るのが秋山陽太郎さん。地域の桃農家と共に総社もも生産組合を立ち上げ、陣頭指揮を執っています。

秋山さんの農園から巣立った弟子たちは全国に50人以上、各地の桃生産部会に請われて技術指導に駆け回っています。日本の桃栽培技術を更新した達人です。

秋山さんの桃栽培の神髄は、「桃との共感」にあります。父親から受け継いだ桃と心を通わす感性に加え、若い頃に学んだ山梨県塩山地方（現甲州市）に古くから伝わる栽培技術を継承し、独自に発展させました。それが甘さだけではない旨味とコクのある桃を生み出します。

その秋山さんが育てた桃を厳選したのが柳蓮田白桃。数十種類の品種の中から、その時期に最適な完熟桃を収穫してお届けします。

「柳蓮田」は日本全国の農家有志による農作物のブランドです。日本中の農家が手を取り合い、最高品質の農作物を提供しています。 品質を支えているのは、農家の持つ高度な技術です。それは常に農作物と接し、観察し、そして成長を見続けることで身に着けられています。農作物に対する深い愛情によって裏打ちされています。

そのような高い品質は一人の農家の持つ天賦の才能や経験の蓄積だけでなく、代々の農家たちが苦労しながら身に着け伝えてきたものです。それは一つの家や集落を超え、日本中の農家が永い間守り続けてきた大切な遺産です。

秋山さんは20年以上も肥料を使わずに桃を栽培しています。秋山さんによれば、それでも糖度20度を超える甘い桃が採れ、収穫量は肥料を与えて栽培した時よりもずっと多いとのことです。なぜそんなことができるのか。その技術の核心は摘蕾（てきらい）と呼ばれる、蕾を指先の感覚を頼りに摘みとる作業にあります。

霜が降りる冬、桃はたくさんの蕾を作りますが、花を咲かせ過ぎると、桃は深く傷つきます。植物が春に花を咲かせるというのは、これから産まれ落ちる「子孫」のために、自分の命を投げ打つことだからです。

　秋山さんの栽培技術の核心である摘蕾の神髄は、桃の声を聴き、大きく美味しい実に育つ花を咲かせる蕾だけを残し、その他の蕾を摘み取ることによって、樹が桃を育てる手助けをすることにあります。結果として、桃の木は、少ない蕾だけに養分を集中させることによって、肥料がなくても美味しい桃を育てるのです。

柳蓮田白桃にはソバカスと呼ばれる茶色の点々が果皮に現れます。一般的な流通では見た目が悪いと評価が下がりますが、これこそが美味しさの証。桃が熟して糖度が上がることで浸透圧が上がると起こる現象。品種によって皮の強さが異なるため、差はありますが、同一品種の桃ではソバカスがあるほうが圧倒的に美味しいです。

一般的な桃の糖度が11～12度のところ、秋山さんが作る桃は糖度20度を超えることがあります。しかしながら、必ずしも糖度が高いことが美味しさに直結するわけではありません。甘さ、旨味、コク、香りなどすべてが揃った桃を選別。毎年何万個と美味しい桃を見極めてきた熟練の技で厳選します。

箱に詰めて常温でお届けします。
果皮にソバカス（茶色の点々）が現れている可能性があります。品種によって差がありますので、ソバカスの有り無しだけで品質を判断しておりません。

届いてすぐに食べられる熟度ですが、品種によっては硬さがあります。届いて、1～2日常温で様子を見て、お好みの熟度（やわらかさ）でお召し上がりください。食べる直前の1時間ほど冷やすと美味しくお召し上がりいただけます。