福井県若狭町の三方五湖畔で、福井在来種の希少梅を育てている坂野さん。大阪出身の坂野さんは、自然の中で仕事ができる農業がしたいと脱サラし、米農家で経験を積んだあと、福井の梅に惚れ込み2019年から梅農家として独立されました。

福井県若狭町は江戸時代から続く梅の名産地で、日本海からの暖流のおかげで冬でも霜が降りにくく、山に囲まれていて強風の影響が少ないため、梅の栽培に適した土地柄です。

坂野さんはできるだけ自然のままの梅を届けたいと、農薬や肥料は使わない自然農法を実践されています。肥料を入れない分、樹が弱らないように剪定で枝を落としすぎないようにしていて、落とした枝は炭にし土にまいて循環させています。

坂野さんが作っている梅は、紅映と剣先というほぼ福井でしか作られていない希少品種です。

【紅映（べにさし）】
種が小さく果肉が厚く、皮がやわらかいので南高梅よりもおいしいと言われています。
アミノ酸が他の品種よりも多く含まれていて旨みが強く、梅干し・梅酒など色々な用途に向いています。 【剣先】
果実の先端が少しとがっていることから剣先と名付けられた品種。さわやかな酸味があり、果肉がしっかりしているので梅酒・梅シロップに向いています。

農薬を使っていないので黒い斑点や傷が多くなってしまいますが、味に影響はありません。食べても害はありませんが、梅の見た目が気になる方には向いていません。