カテゴリーから探す
嘉兵衛本舗(天日干し番茶)
奈良県吉野郡
通年
嘉兵衛本舗「天日干し番茶」
吉野の山里に息づく、六代続くお茶づくり
奈良県・吉野の山里で、江戸時代中期(天保年間)から六代にわたり茶づくりを続けてきた「嘉兵衛本舗」。創業者・森本嘉兵衛の名を受け継ぎ、現在は三姉妹が中心となって伝統製法を守り続けています。かつて吉野郡に6,000軒以上あった茶農家は、いまやわずか数軒のみ。そんな中で、地域固有の「吉野大淀 日干番茶」の製法を今に伝える、貴重な生産者です。

茶畑は吉野の清涼な空気と地力のある土壌に恵まれ、山里特有の寒暖差が香り豊かな茶葉を育みます。三姉妹は“手間のかかる手仕事こそ、お茶本来の味を守る道”と考え、山の風・太陽・水・土の力を活かした昔ながらの農法と製法を大切にしています。「毎日の一杯が、心の区切りになるように」。その想いが、一つひとつの茶葉に宿っています。
吉野だけに残る“天日干し”という伝統製法
天日干し番茶の最大の特徴は、茶葉を蒸した後「広場一面に敷き詰め、太陽と風だけで乾燥させる」製法です。機械乾燥は一切行わず、雨雲が出れば即座に回収、乾けば広げる…その繰り返し。まるで赤ちゃんを世話するように目が離せない、手間の塊のような作業です。

この製法は吉野地域にのみ伝わる極めて希少な方法で、かつて数千軒あった茶農家のほとんどが辞めたいま、嘉兵衛本舗が守る“日本の食文化そのもの”。天日干しによって余計な渋みや苦味が抜け、茶葉が丸みのある風味に仕上がります。カフェインも少なく、小さなお子さまから年配の方まで安心して飲める、やさしい味わいのお茶です。
香ばしさ・やさしさ・飲みやすさが揃った“和の番茶”
天日干し番茶の味わいは、とにかく「やさしい」。口に含むと香ばしい香りがふわりと立ち上がり、渋みはほとんど感じません。天日干しにより雑味が抜け、穏やかな甘みが際立ちます。濃く淹れても角が立たず、スッと喉を通る柔らかさは、他の番茶にはない大きな魅力。

吉野の山の風景を思わせる素朴で優しい後味は、毎日の相棒として飽きずに飲める味。食事中のお茶としても、お休み前の一杯としても心地よく寄り添います。まさに“日常を整える、和のクラフト茶”です。
1件中 1-1件表示
1件中 1-1件表示