五郎兵衛米は、味で魚沼産コシヒカリを凌ぐと言われる長野県佐久市のごく限られた地域だけで作られているお米です。その歴史は、江戸時代に市川五郎兵衛が灌漑によって水田を作り上げたことに始まります。
限られた地域で作られたお米だけしか五郎兵衛米と名乗れないため、その流通量はごくわずか。量販店等ではほとんど見かけることはありません。しかし、食通の間ではその名は知られており、毎年決まった方が購入するため、ほぼ直売で完売している状態です。
安心堂で販売する五郎兵衛米は、信州佐久オーガニック研究会の依田さんが作られたもの。できる限り、化学農薬や化学肥料の使用を抑え、特別栽培の認証を受けています。安心・安全で美味しい五郎兵衛米をお届けいたします。

実は五郎兵衛米が作られている地域はお米ができない土地でした。しかし、江戸時代に市川五郎兵衛が、旧浅科村に広がる強い粘土質の土壌を見て、ここでお米を作ったら美味しいお米ができるにちがいないと確信し用水路を引きました。しかし、それは容易なことではありませんでした。まず水源探しに三年かかり、やっとのことで遠く蓼科山の山中に湧いている水を水源を見つけました。その後４、５年かけて全長２０ｋｍにも及ぶ水路を作り上げました。
今では近代化されて用水路もはりめぐらされてはいますが、水が豊富な地域ではありません。交代で水を水田に入れるなど、他地域と比べ不利な面が残っています。それでも、美味しく豊かに実るだけ、この地域がお米の栽培に適していることがわかります。

噛めば噛むほど口の中に甘味が広がっていく美味しいお米を作る依田さん。食の安全と美味しさを両立させる栽培を行っています。

農薬は極限まで減らし安全なお米を栽培するようにしています。化学農薬・化学肥料の使用を半分以下に減らした栽培に与えられる特別栽培の認証を受けています。味には特にこだわります。五郎兵衛米は豊かな土壌と寒暖差の大きい気候と自然条件に恵まれていますが、依田さんは栽培技術によって、さらに味を追究しています。通常１坪70株植えるところを、50株に減らし、1本1本の品質を高めています。また、肥料についても緻密な計算のうえに行っており、余計な肥料を与えないようにしています。肥料は多すぎても、少なすぎても収量や味に直接影響してきます。依田さんは味に重点を置き、収量を追うことなく栽培しています。