2015年に品種登録された梨品種。王秋とあきづきを掛け合わせた梨です。幸水や豊水などの人気品種よりも糖度が高く、果肉がやわらかいという特徴があります。秋が深まる9月下旬ごろから収穫されますが、この遅く出てくる梨は果肉が硬めです。その中で、果肉が幸水や豊水のようにやわらかくて食べやすいため、晩生梨の有望品種とされています。

甘味・酸味・食感と三拍子そろった美味しい梨作りにこだわる古谷さんの梨。
梨を栽培する果樹園では圃場ごとに、土壌分析を行ったうえで有機肥料と使って土づくりを行っています。また、収穫は完熟するまで樹上で熟成させ、美味しくなるまで収穫しません。最後には試食と非破壊の糖度計で甘さをチェックしています。非破壊糖度計を個人で持っている生産者はほとんどいません。そこまで美味しさにこだわっています。

古谷さんは梨農家の三代目。
農家の長男だから農家を継ぐんだという言葉に反発し、どうせ農家を継ぐのであれば、農業とは違う工業の知識をと工業高校を選択。その後電器会社に就職するも、梨園の手伝いをする中で、親や梨仲間の姿に感動を覚え梨農家の三代目となりました。旨い梨作りに活きてきたのが会社勤めで得た考え方。古くからの農業にある経験や知恵だけではなく、土壌の状態を細かく数値化して、それに基づき肥料設計するなどといった明確な手法を使って栽培されています。

有機肥料を緻密な計算をもとに施し、土づくりがなされた果樹園。土をよく観てみると、粒々の状態になっています。これはみみずなどの虫がたくさん棲息していて団粒構造ができているから。空気がよく入りふわふわとした土になっています。
また、古谷さんの圃場では雑草が生えています。この雑草は刈り取るとまた土へと還します。これを繰り返すことで環境が整い、自然と肥沃な土壌へと育っていきます。
虫の発生状況や周辺環境を緻密に調べることで化学農薬も極力使用を減らし、自然の力を活かした栽培をされています。